彼が夢見た偉大な舞台
【僕は偉大な曲をひとつ書くんだ。
僕が逝ってしまう前に…】
「One song Glory」という曲の歌詞です。
1885年の今日6月17日は、自由の女神が
フランスからニューヨークに届いた日なんだそうです。
…ということで、
ニューヨークを舞台した映画は沢山ありますが、
私の中で一番に出てくるのは「RENT レント 」です。
映画というより、ミュージカルが映画化された作品で、1989年12月24日から1年、ニューヨークのイーストヴィレッジで暮らすロックミュージシャンや映像作家を夢見る、家賃(RENT)も払えない若者たちを描いたストーリー。
けれど事実は小説より奇なりと言いますが、このRENTには作品の素晴らしさに加え、伝説となった物語があるのです。
それは作詞・作曲・脚本をほぼ一人で手がけたジョナサン・ラーソンが、7年間の苦労の末、やっとオフブロードウェイのプレビュー公演を迎えることが出来たという当日(1996年1月25日)の未明に、胸部大動脈瘤破裂で35歳の生涯を終えたのです。
ラーソンが一度として観ることが無かった「RENT」は、その後ブロードウェイに舞台を移して、歴代8位というロングラン公演を記録し、トニー賞やピュリッツァー賞などを受賞しました。
「僕は偉大な曲をひとつ書くんだ。僕が逝ってしまう前に。ひとつの歌を残しておきたい。」
これは劇中、HIV陽性のミュージシャンを夢見るロジャーが歌う曲なんですが、まるでラーソン本人が自らの死期を知っていたかのように感じてしまいます。
私たちは命がいつか終わることを知りながら、けれどどこかで、今日と同じような明日が来ることを当たり前のことと思ってしまっているところがあります。
今日命が尽きてしまっても悔いの無い生き方をしていたいですね。。。
ラーソンが亡くなったプレビュー公演初日、カーテンコールのときに観客から
“Thank you Jonathan Lason(ありがとう、ジョナサン・ラーソン)”
という声が上がると、会場は一斉にこの声援と拍手で包まれたのだそうです。
なので今でも(映画でも)カーテンコールの時に、この文字が映されるのだとか…
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