余命2年と云われたら…
【余命二年と云われたら十数年私を苦しめてきた
ウツ病が消えた。人間は神秘だ。人生が急に
充実して来た。毎日がとても楽しくて仕方ない。
死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。】
今日6月28日は、「100万回生きたねこ」で有名な
作家、佐野洋子さんの誕生日です。
私は正直この絵本のイメージしかなかったので、何となく淑やかな女性を想像していたのですが、
冒頭の言葉からもうかがえるように、結構豪快な面も持たれていたようです。
1938年に生まれ、2010年に72歳で亡くなられるまでの間に、173もの著作があるというので驚きです!!
人生や愛についての作品を書き続け、多くの人に感動を与えた人である一方で、ご自身は4歳の時に
お母さんと手を繋ごうとして伸ばした手を、舌打ちしながら振り払われた体験を許すことが出来ず、
確執は晩年になるまで消えなかったそうです。
きっと愛について深く考え、それを表現しながら生きた方だと思うのですが、それでも身近な人に
一番欲しかった愛を素直に表現することは出来なかった…
そこには作家ではなく、私たちと同じように一人の子としての悩みや葛藤があったんだと感じます。
100万回生きたねこは、100万回も死んだことを自慢していたけれど、白いねこのことが好きになり、
はじめてこう思うのです。
「白いねこといっしょに、いつまでも生きていたい」 と。
どれだけ生きるかよりも、“どう生きたいのか” ということを教えてくれる絵本です。
「母と和解したのは、母が呆けてしまってからだった。痴呆になった母の布団に入り子守唄を歌い
号泣して思わず謝っていた。母は『私の方こそごめんなさい。あんたが悪いんじゃないのよ』と言って
優しく慰めてくれた。」