不完全な存在
【僕らはとても不完全な存在だし、何から何まで
要領よくうまくやることなんて不可能だ。】
1949年の今日1月12日は、
作家村上春樹さんの誕生日だそうです。
最近の本はあまり読んでいないのですが、一時期は本棚に彼の本がずらりと並んでいたことがあったほど、あの独特の文体が大好きでした。
そんな彼が影響を受けた本の一冊にあげられ、2006年にはご自身でも翻訳を手がけられた作品が「華麗なるギャツビー」 です。
この小説は出版後から何度も映画化され、日本でも10人程の翻訳者によって出版されている世界的名作でもあると思うのですが、実は私自身は小説も映画も今までスルーしてきたので、2013年にレオナルド・ディカプリオがギャツビーを演じたこの作品が初めての「華麗なるギャツビー」でした。
冒頭の村上春樹さんの言葉にもあるように、私たちは誰もが本当は「とても不完全な存在」なのですが、それでも自分が不完全であることを認めることが出来ないまま、完璧という妄想を追いかけてしまう部分が少なからずあるように思います。
ギャツビーも悲しいほど、人生に「完璧」を求めてしまった人だったんですね。
けれど私は、自分が不完全であることをいい意味で諦めることが出来たときに、本当に人というものが愛おしい存在だと感じることが出来ました。
不完全だからこそ、人は人のことを想い、愛することが出来るのだと…。
冒頭の言葉の後には、こんな言葉が続いていました。
「不得意な人には不得意な人のスタイルがあるべきなのだ。」
自分の不完全な部分を受け入れて、その人らしく生きることで、気づかぬうちに誰かの不完全な部分を補っているものなのかもしれません。
だからこそ、個性をもった不完全なひとり一人が存在する意味があるのだと思います。
それで、私の2016年の漢字一文字は「奏」に決めました。
誰もが自分の「音」を響かせながら、共に奏でて行きたいと思います。
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