死を考えるのは、死ぬためじゃない
【 僕が死を考えるのは、死ぬためじゃない。
生きるためなんだ。 】
フランスの作家、アンドレ・マルローの言葉です。
1985年の今日6月11日は、世界で初めて
“尊厳死” が法的に認められた
カレン・アン・クライン事件の
カレンさんが亡くなられた日だそうです。
1976年、彼女の両親は植物状態のまま長く生きるより、人口呼吸器を外すよう願い出たのですが
病院側が拒否したために裁判となり、最終的にニュージャージー州の最高裁判所は両親の訴えを認め
人工呼吸器は外されることになったのです。
けれど “命” とは不思議なもので、呼吸器を外せば生きることは難しいと考えられていた彼女は、
自力で呼吸を続け、植物状態のまま人工栄養によって9年間も生きて、
1985年に肺炎で亡くなったそうです。
“尊厳死” や “安楽死” の正否について、正直いまの私にはわかりません。
けれど少なからず “死” について考えることは、生きていく上で大切なことだと感じます。
自分の中に確かにある “死” を感じたときこそ、人は本当の意味で
“生きる” ことを知るのかもしれません。
“死” に怯えながら、囚われて生きますか?
“死” への憧れを抱きながら、ただ生きながらえますか?
“死” はあるものと受け入れて、いまを生きいますか?
誰もが口に出せず迷い、悩みながら、
自分なりの答えを見出していくものなのかもしれません。
次回のドラマティック・セミナーでは、日常タブーとされるような生と死についても触れながら、
本当に生きることについて、一緒に考えていきたいと思います。
中島みゆきさんのアルバム「生きていてもいいですか」の中に「エレーン」という曲があり、
私は時折この曲を聴きながら、生きることについて考えることがあります。
このエレーンというのは、彼女が売れる前に住んでいた安アパートの隣人で
何者かに殺された外国人娼婦の名前から来ています。
「エレーン 生きていてもいいですかと だれも問いたい… エレーン
その答えを誰もが知ってるから だれも問えない」
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