17歳の彼が見たのは…?
【僕を知りたければ、作品の表面だけを見てください。
裏側には何もありません。】
アンディ・ウォーホルはアメリカのペンシルベニア州で
スロバキアの移民の子として生まれました。
1970年に発行された「ライフ」誌で、1960年代に
もっとも影響力のあった人物としてビートルズと共に
選ばれたことからも、いかに彼の作品や言動が
多くの人を刺激したかがわかります!!
キャンベル・スープ缶、エルヴィス・プレスリー、毛沢東、電気椅子、などなど…
モチーフにするモノも他の人とは違っています。
そして彼が17歳の誕生日に投下された広島の原爆も作品にしています。
冒頭の言葉からもわかるように、彼は芸術家の内面を探られることを嫌い、徹底的に表面的なものでしかないことを強調しました。
けれど、何かの制作に携わる方なら、きっと彼のこの言葉に違和感を覚えると思います。なぜなら、制作者の中に何かしらの “想い” が無ければ作品は生まれませんし、仮に生まれたとしても他の人を惹きつけるだけのエネルギーなど宿るはずがないからです。
それでもあえて、彼が内面を探られないような発言を続けたのは何故なのでしょうか…??
私はアンディ・ウォーホルという人を深く知っている訳ではないので、これはあくまでも想像にすぎませんが、彼の本心は恐らく、作品を観たそれぞれの人が、その人なりの答えを見出すことを願っていたのではないかと思います。
だからこそ、制作者が持っている一つの “答え” を、与えないようにし続けたのではないかと…
「この作品を観て、何を思った? 何を感じた? もっと感じて!!」
私には、彼がそう話しかけて来るように感じます。
繰り返される日常の中で、危険なことやおかしなことにも、どこか “麻痺” してしまっている私たちへ、何かしらの警告を彼は発している… 私はそんな風に思うのです。
- 作者: アンディウォーホル,Andy Warhol,落石八月月
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/08
- メディア: 単行本
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